RE100 53社が日本政府に向け、再エネ導入拡大を求める書簡を送付しました。
RE100を宣言する国内外の企業53社がJCLPとの連携の下、日本政府に向けて、再エネの導入拡大を求める書簡を送付しました。
RE100 企業は、日本政府が COP26 までにより野心的な再エネ目標を掲げることを求めます。
私たちは日本政府に対し、「2030 年に再エネ比率 50%」という目標を設定することで企業の野心的な取組みに応え、
グリーン成長を大きく推進することを求めます。
日本に本社を置き事業展開をする企業を含むRE100の大手グローバル企業は、3月22日、日本政府に対し、脱炭素経済への移行を急速に加速するために、2030年までの再生可能エネルギー(以下再エネ)目標を倍増以上にすることを求めました。
RE100(Climate Group主催でCDPが協力する企業イニシアチブ)の主要企業は、COP26に先立ち、日本が再エネ目標を野心的に50%まで引き上げる上で必要となる政治的リーダーシップを要請しました。
日本政府に宛てた公開書簡では、Googleやアストラゼネカ、ネスレ、リコー、パナソニック、ニコンといった世界的に有名なブランドを含む50社以上のRE100企業が、日本の2050年までのネットゼロ排出目標を歓迎しました。一方で、今後数十年にわたり再エネを供給するためには、さらに多くの対策が必要であることを強調しています。
書簡では、以下を述べています:
「エネルギー基本計画の見直しに併せて2030 年の再エネ目標を22~24%から50%へ引き上げることは、市場に対する強力なシグナルとなり、経済のグリーンリカバリーの推進に役立ちます。また、価格変動や地政学的なリスクを多大に有する化石燃料への依存を減らすことにもなります。さらには、企業が再エネを利用しやすくすることで、日本の排出実質ゼロ目標達成に向け、自社の対策を推進する多く企業の後押しをすることとなります。」
RE100企業は、最近の調査において、日本を100%再エネへの転換が最も困難な市場トップ10 に挙げています。再エネに対する企業の需要が高まっているにもかかわらず、コストが高く、入手方法が限られているためです。日本のRE100 参加企業の再エネ比率は現在14%ですが、英国では91%、インドは39%となっています。
RE100企業は、日本が送電網を強化し、オフサイト型コーポレートPPA(直接電力購入契約)を有効にしてコストを削減し、日本のグリーン成長戦略を支援する必要があることを優先事項としてあげています。保証された価格で再エネの事業展開をスピードアップさせるコーポレートPPAは、近年、欧米およびアジア太平洋全体の電力市場を変革しています。
株式会社リコー 代表取締役社長 執行役員・CEO 山下良則
「日本における再エネ拡大の最大の障壁は、コスト高と供給量及び調達方法が限られていることだと考えます。 そのため、持続可能な社会の構築にコミットする企業を支える上で有効となる、日本の電源構成における再エネ比率目標を2030年までに22〜24%から50%に引き上げるという提案を支持します。菅総理が2050年までのカーボンニュートラルを宣言したことや、脱炭素化研究のための2兆円の基金が創設されるなど、この先前向きな進展が期待できます。 今後の10年は、日本の再エネ市場にとって大きな変革の時となるでしょう。」
アサヒグループホールディングス 代表取締役社長 兼 CEO 小路 明善
「「自然の恵み」を享受しながら事業を営む企業として、様々な環境課題に対し積極的な取り組みを推進していくことで「自然の恵み」を次世代に引き継ぐことを目指しています。特に気候変動への取組みについては、2050年までにCO2排出量をゼロとすることを目指し、CO2削減への取組みを加速させていきたいと考えております。そのためには、積極的に再生可能エネルギーの導入を進め、日本が世界をリードする環境先進国を目指すことを期待して、この書簡に署名しました。」
イケア・ジャパン株式会社 カントリーサステナビリティ マネージャー 平山絵梨
「イケアでは、2025年までに100%の電力を再エネで調達することを約束しており、多くの企業が同様の目標を共有しています。企業は、ある場所での事業に再エネを簡単かつ手頃な価格で調達できない場合、他の場所に投資を移す可能性があります。また、ある場所で作られた製品が100%の再エネを使って製造されていない場合、それらはグローバル市場で魅力を失います。日本政府が、私たちが捉えるように、再エネを増やすことは企業の競争力を高め、投資を促進するチャンスであり、日本の持続可能な未来のためにやるべきことだと捉えてくれることを望んでいます。」
キリンホールディングス 代表取締役社長 磯崎功典
「「2040年までに使用電力を100%再生可能エネルギー由来にする」目標を掲げるRE100メンバー企業として、弊社はRE100が日本政府に対し求める「2030年に再生可能エネルギー比率50%」の目標設定とグリーン成長の推進を支持します。」
クライメイトグループRE100シニアインパクトマネージャー アレクサンドラ・クラッセン
「日本の多くの主要企業は再エネを活用したいと考えていますが、再エネのコスト高と供給量及び調達方法が限られていることが、切り替えを行う上での最大の障壁となっています。RE100メンバーが明らかにしているように、今が、日本政府がエネルギー政策に大胆に取り組み、2030年50%という再エネ目標にコミットする時です。これは日本のグリーン経済回復を推進するのに役立つとともに、企業と消費者の両方にとって、クリーンエネルギーの未来に向けた道を開きます。」
1.書簡はこちから参照できます。
書簡(英語オリジナル)RE100 – Letter Japan
2.下記のRE100企業が書簡に署名しています(※企業名左列よりABC順)。
3M | キリンホールディングス株式会社 |
イオン株式会社 | 株式会社熊谷組 |
味の素株式会社 | 株式会社丸井グループ |
Apple | 株式会社村田製作所 |
アサヒグループホールディングス株式会社 | Nestlé |
旭化成ホームズ株式会社 | 日本ユニシス株式会社 |
株式会社アシックス | 株式会社ニコン |
アスクル株式会社 | 日清食品ホールディングス株式会社 |
アセットマネジメントOne株式会社 | 野村総合研究所 |
AstraZeneca | 株式会社ノーリツ |
Biogen | 小野薬品工業株式会社 |
生活協同組合コープさっぽろ | パナソニック株式会社 |
第一生命保険株式会社 | 株式会社リコー |
大和ハウス工業株式会社 | 株式会社セールスフォースドットコム |
Royal DSM | Schneider Electric |
株式会社エンビプロ・ホールディングス | 積水化学工業株式会社 |
First Solar | 積水ハウス株式会社 |
富士フイルムホールディングス株式会社 | 株式会社セブン&アイ・ホールディングス |
株式会社フジクラ | ソニー株式会社 |
富士通株式会社 | 住友林業株式会社 |
芙蓉総合リース株式会社 | Tetra Pak |
城南信用金庫 | |
株式会社安藤・間 | 戸田建設株式会社 |
いちご株式会社 | 東急不動産株式会社 |
Ingka Group (formerly IKEA Group) | Unilever |
Jinko Solar | ワタミ株式会社 |
Zurich Insurance Group |
3.RE100 Progress and Insights Annual Report 2020(2020年RE100年次報告書:進捗と理解)では、RE100企業が100%の再エネを調達する際、日本が世界
で最も困難な市場のひとつであることを明らかにしました。 日本が欧州や北米などの地域が既に経験している需要主導型の再エネ投資の規模とスピードを
実現するには、さらに多くのことを行う必要があります。
4.2020年10月、RE100の地域パートナーであるJCLPは、「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)の見直しに向けた提言」を公表し、エネルギー
ミックスにおいて「2030年再エネ比率50%」を掲げることを求めました。
5.クライメイトグループRE100シニアインパクトマネージャー アレクサンドラ・クラッセンからのメッセージ
動画はこちらから参照できます。
6.フィナンシャルタイムズ紙(日本版)の意見広告
こちらから参照できます。
RE100とは
RE100は世界で影響力のある企業が事業で使用する電気を100%再生可能エネルギーとすることにコミットする企業協働イニシアチブ。企業が結集することで、
政策立案者および投資家に対して、需要家からエネルギー移行を加速させるためのシグナルを送ることを意図する。RE100にはフォーチュン・グローバル500
企業を含む多様な分野から企業が参加し、その売上合計は4兆5000億米ドルを超える。RE100はthe Climate GroupがCDPとのパートナーシップのもとで主催し
We Mean Businessの一部としても運営する。
日本では「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」がRE100の公式地域パートナーとして、日本企業の参加と活動を支援する。