「パリ協定長期成長戦略懇談会」の提言を踏まえた意見書を公表しました
JCLPは本日、「パリ協定長期成長戦略懇談会」の提言を踏まえた意見書を公表しました。
先般、「パリ協定長期成長戦略懇談会」(以下、懇談会)が日本政府に向けた提言を発表しました。政府は現在、この提言の内容を踏まえ、今年6 月のG20 大阪サミットに向け戦略の策定を進めています。
長期成長戦略は、日本の政府、企業、国民全体に脱炭素社会の実現という方向性を示す上で、また、個別の気候変動やエネルギー政策への指針という点で、日本はもちろん世界の脱炭素社会の実現を左右する非常に重要なものです。
JCLP は、この重要な戦略に対する提言を多面的に検討し、取り纏められた方々のご尽力に対し心から敬意を表すとともに、脱炭素社会の実現を目指す企業ネットワークとして、懇談会の提言を踏まえた長期成長戦略に対する意見書を公表しました。意見書のポイントは以下の通りです(詳細は本文をご参照ください)。
・気候変動が国民の生命と財産を脅かす危機として示されたことを支持し、政府による情報発信に期待します。
・「脱炭素社会を今世紀後半のできるだけ早期に実現」というビジョンと、国内での取組を意識的に進めるという方向性を歓迎します。長期成長戦略においては、このビジョンの達成時期を前倒しし、「2050 年日本国内の温室効果ガス排出ゼロ(排出と吸収を踏まえた正味ゼロ)」の明記を求めます。
・地域・くらし分野のビジョンとして「2050 年までにカーボンニュートラルの実現」を歓迎し、脱炭素社会の実現に向けた取組推進のため、他の分野においても具体的なビジョン策定を期待します。日本全体が一丸となって脱炭素社会の実現に取り組むためにも、また、投資の予見可能性を高め脱炭素分野への投資を拡大するためにも、定量的且つ具体的な目標年を定めたビジョンが必要です。
・「脱炭素ビジネス立国」実現に向けた政策によるビジネス環境整備の方向性を強く支持します。
・カーボンプライシングへの明示的な言及を歓迎し、導入に向けた建設的な議論を期待します。
・エネルギーの脱炭素化へ向けて、再エネ主力電源化を進め、石炭火力発電への依存を可能な限り引き下げるという方向性を歓迎します。再エネ主力電源化に向けた取組強化及び国内外での石炭火力発電からの脱却に向けた方向性が、長期成長戦略に明記されることが必要と考えます。
意見書本文:「パリ協定長期成長戦略懇談会」の提言を踏まえた長期成長戦略に対する意見書