非FIT再エネの選択肢多様化に向けた意見書を公表しました。

2021.5.13

 

民間投資の喚起と国民負担を抑制した形での再生可能エネルギー拡大を見据えて

JCLPが非FIT再エネの選択肢多様化に向けた意見書を公表

 

 

 本日、気候変動に危機意識を持ち脱炭素社会への移行において求められる企業となることを目指す企業団体の日本気候リーダーズ・パートナーシップ(以下、JCLP)は、日本における非FIT再エネの選択肢多様化に向けた意見書を公表し、経済産業省をはじめとする関係省庁に提出しました。

 

 2050年カーボンニュートラル及び2030年温室効果ガス排出削減目標(2013年度比46%削減、50%の高みに向けて挑戦)の達成に向けて、再生可能エネルギー(以下、再エネ)のさらなる拡大が重要となります。

 

 そのような中、RE100等の需要家企業が主体的に再エネを調達する流れが加速しており、この流れをより効果的に日本の再エネ拡大につなげる仕組みとして、バーチャルPPA(以下、V-PPA)が考えられます。

 

 ここで指すV-PPAは、需要家が直接発電事業者と中長期契約を結び、実際の電力売買とは切り離された形で再エネ属性を直接移転する仕組みです。欧米では再エネ拡大の大きな推進力となっており、日本でも民間投資を喚起し国民負担を抑制した形での再エネ拡大に資すると考えられます。

 

 しかしながら、日本では制度的障壁によりV-PPAの実現が困難であり、状況の打開に向けた施策を早急に検討する必要があります。意見書では、以下3つの事項について早急な対応を要望しています。

 

    1.  非FIT(再エネ指定)証書等の再エネ属性を、需要家企業が発電事業者から直接購入可能にする
    2.  非化石証書等再エネ属性の無効化制度及び税の取扱いを明確化する
    3.  非FIT再エネの経済性を高めるためのインセンティブを導入する

 

 

要望内容の詳細およびV-PPAの仕組みは、意見書本文をご参照ください。

日本における非FIT再エネの選択肢多様化に向けた意見書

プレスリリース

 

 

バーチャルPPA(V-PPA)とは:

需要家が直接発電事業者と中長期契約を結び、実際の電力売買とは切り離された形で再エネ属性を直接移転する仕組み。下記の特徴を有する。

  • 新規の再エネ事業創出を後押しする「追加性」を伴う。
  • 発電事業者は、市場価格変動リスクを軽減することができ、FIT・FIP制度を利用せずとも安定した収入が確保できる。よって、国民負担の増加を防ぎつつ再エネ拡大を促進することが可能。
  • 電力と切り離して再エネ属性を移転するため、需要地と再エネポテンシャルが豊富な地域が物理的に離れている場合でも、再エネ開発を促進できる。
  • 長期の電力需給契約を締結している企業やビルテナント入居企業等が、既存の小売契約の変更をせずに、追加性のある再エネを調達できる。
  • 電力取引機能を持つ必要がない、電力市場が異なる再エネ発電事業者との契約が比較的容易など、投資主体の需要家企業が採用しやすい。