気候変動への危機感

・気候変動は人類にとって重大なリスクであると同時に、社会・経済の大きな構造転換も視野に入れるべき世界の喫緊の課題である。

・世界各地で気候変動によると思われる様々な自然災害による損害が既に発生している。今後、気温上昇が続けば、気象災害の増加、食糧生産性の低下、人々の健康や生態系への悪影響などのリスクが増大し、その被害は膨大なものになると考えられる。

・気候変動は、人々の生活や企業活動に不可欠な社会基盤を脅かす重大な危機である。

・IPCCの最新知見を真摯に受け止める。ビジネスの基盤である社会の安定すら脅かす可能性があることを認識する。

 

必要な政策(主に削減目標)

・日本の目標は、気候変動による深刻な被害を回避すべく、気温上昇を 2℃未満に抑制できるよう、IPCC が示した排出量上限値を参照すべきである。

・既に閣議決定されている日本の長期目標「2050 年に80%削減を目指す」は、気温上昇 2℃未満に向けた最低限の目標と認識すべきである。

・Japan-CLP は、我が国が責任をもって積極的に気候変動問題に取組むには、2030 年の削減目標として、少なくとも 1990 年比 30%(2005 年比で約 36%)以上が望ましいと考える。

・社会・経済の大きな構造転換も視野に入れるべき。

 

日本の状況、役割への認識

・近年の日本の気候政策にはやや停滞感があり、欧州などの先進国に比べて、環境政策で遅れをとっていることを危惧する。

・日本には、豊かな自然、先進的環境技術、公害や石油危機を競争力に変換した経験等、脱炭素化へ対応できる土壌がある。

・日本は先進国の一員として、これまで経済成長に伴った多量の温室効果ガスを排出してきた責任があり、現在も世界第 5 位の排出大国である。

・日本は特にものづくりにおいて、世界の経済成長に大きく貢献し経済大国の地位を築いてきた。今後も発展途上国や新興国からは脱炭素社会づくりに対する支援に大きな期待が寄せられている。

・世界に先んじて気候変動に取り組み、脱炭素分野での競争力をつけることは、日本が国際社会において名誉ある地位を得るために重要な戦略である。

・人類最大の脅威である気候変動問題において消極的と見なされることは、当分野における今日までの日本の実績や国際社会からの信頼を危ういものとし、脱炭素技術や人材等の海外展開にも悪影響を及ぼす懸念がある。

 

経済的手法に関する考え方

・温室効果ガスの削減に対して努力した企業や個人が報われるグリーン経済への移行を進めるべき。

・「排出にはコストを、削減には利益(価値)を付与すること(炭素の価格付け)」を進めるべきである。

・政府が炭素価格付け等のインセンティブを付与すれば、企業は積極的に投資を行い、技術革新とイノベーションに挑戦する。Japan-CLP は、気候変動への対応は、単なるコストではなく、人々の生活基盤を維持し、資源に乏しい日本が競争力を強化するための有望な投資であると考える。

・企業の経営資源が脱炭素イノベーションに向かうためには、経済インセンティブが不可欠である。

・気候変動への取り組みは、社会にとっての「負担」ではなく、イノベーションとビジネス機会をもたらす「将来への投資」と捉える。

・脱炭素社会を担う「エコ・アクティブコンシューマー」の拡大を図るべき。

※Japan-CLPは、世界銀行の炭素価格に関する声明(Putting Price on Carbon)へ、署名しています。