2016年10月5日

 本日、Japan-CLPは11月7日よりモロッコ・マラケシュで開催される第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)に先立ち、関係大臣(環境大臣、経済産業大臣、外務大臣)に宛てた「COP22に向けた要望書」を発表しました。
詳細は以下の通りです。

 

COP22に向けた要望書

 

 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(以下Japan-CLP)は、「気候変動が社会の安定ひいてはビジネス活動への重大な脅威である」との認識の下、持続可能な脱炭素社会の実現に向け、積極的な取り組みを展開すると共に、それをビジネスチャンスとすることを目指す企業ネットワークです。

 今夏、北日本、東日本に度々上陸して多大な被害を及ぼした台風や、西日本における酷暑と集中豪雨にみられるように、日本でも異常気象が頻発しました。気象専門家からも、これらは地球規模の気候変動が原因と指摘する声が出てきています。一方、経済活動においても、世界の主要な機関投資家が化石燃料を多く扱う企業からの投資引揚げを発表するなど、気候変動の影響が及んでいます。

 我々は、気候変動は将来の危機ではなく、国民の生命や生活を脅かし、企業活動にも多大なリスクとなる、既に顕在化した危機であると認識しています。また、昨年合意したパリ協定を踏まえて、持続可能な成長を可能にする脱炭素社会づくりに向けて、国内外の動きをさらに加速する必要があると考えています。

    今般、COP22を迎えるにあたり、山本環境大臣には、下記事項の進展にご努力頂きたく存じます。

 1.  パリ協定の歴史的意義に鑑みて、我が国として一刻も早い批准を果たし、COP22がスタートとなるその後の重要なルール作りの場において、リーダーシップを発揮して頂きたい。

 2.  COP22は、パリ協定の合意を具体的な行動に移し、COP21の機運をさらに高めていくための極めて重要な会議である。将来世代に禍根を残さないという使命感を持って交渉に臨み、我が国の国際的な信頼を守って頂きたい。

 3.  現在の国別目標(NDC)では2℃(1.5℃)目標の達成は不十分であることを認識し、以下を勘案した目標達成への実効性を担保する仕組みの構築へご努力頂きたい。このことは、市場に対する脱炭素化へのシグナルを一層強化し、企業や投資家に対して中長期的且つ信頼に足る見通しを提供する点でも重要であることをご理解頂きたい。

 ● 各国における2℃(1.5℃)目標と整合した長期温室効果ガス低排出発展戦略(以下長期戦略)の策定を促進するための国際的な仕組みの構築。

 ● 国別目標(NDC)を、「グローバル・ストックテイクの結果を考慮し、また2℃(1.5℃)目標と整合した長期戦略に照らして、段階的に引き上げる」という、パリ協定の要素を有機的に連動させるプロセスの構築。

  ●上記のプロセスの透明性の確保と、国や非政府アクターによる相互評価の仕組みの構築。

 また、COP22における交渉をリードするためにも、我が国が長期戦略を早期に策定することが強く望まれます。長期戦略の策定に関しては、以下の点も踏まえ、日本全体の成長戦略となるようご努力頂きたく存じます。

 ● 「気候変動は国民生活や企業活動における顕在化しているリスクである」、「革新的な対策を講じない限り、気候変動は持続可能な経済社会の発展を脅かす」との認識を国民全体で共有するように、その周知に努めて頂きたい。

 ● 気候変動対策の主要課題のひとつとなる脱化石燃料の推進は、国富の流出を抑制し、かつ、地方創生やイノベーション喚起にも寄与する。経済の好循環の観点からも、意欲的な政策の導入が必要である。


 ●企業の脱炭素化への挑戦を導くためには、脱炭素化活動に経済価値が見出せる新しい経済システムへの転換が必要である。炭素への価格付けが有効な気候変動政策となりうる。投資家や顧客からの正当な評価の基に、企業による技術革新やイノベーションの活発化が期待できる。

 Japan-CLPは、社会の多くの方々と共に、気候変動政策の前進を支援すると共に、産業界による技術革新や、経済、社会全体のイノベーションの促進を喚起していく所存です。

          
                                                                             以上

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